?非サンデー系種牡馬の逆襲

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非サンデー系種牡馬の逆襲

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【はじめに】

サンデーサイレンスは、種牡馬として１９９４年に初産駒のデビュー以来、もの凄い勢いで日本競馬界の血を一変させた、とてつもない大種牡馬です。
では、どれくらい凄いのでしょうか？

例えば、２０１１年のオルフェーヴルが勝利した日本ダービーでは、出走馬１８頭全てにサンデー系の血が入っていました。
日本ダービーに出走するだけでも至難の業なのに全馬に血が入っているって…。

これは軽いジャブ程度、まだまだこんなものではありません。
サンデーの功績は後に記述するとして、それほどまでに今日の日本競馬界は、サンデー系一色です。

サンデー系ばかりが勝って、それ以外の馬が勝てない。
本当にそれで良いのか？

本当にそれで面白いのか？
という訳で今回は、非サンデー系種牡馬に頑張ってほしいとの思いから非サンデー系種牡馬の逆襲として、お話を進めたいと思います。

サンデー系＝エリート軍団を非サンデー系＝弱小軍団が倒す
（すいません、弱小ではなく、あくまでもイメージです）

こんなジャイアントキリングする夢を一緒に見ませんか？
なお、非サンデー系種牡馬とは、２代までの父系にサンデーサイレンスの血が入っていない。

または、血統の中に全くサンデーサイレンスの血が入っていない。
との解釈です。

それでは、夢と希望を逆襲に乗せてスタートです。

【１】サンデーの功績

まずは、簡単にサンデーサイレンスの功績を見て下さい。
種牡馬として活動した期間は、１９９１年?２００２年の１１年間です。

因みに２００２年８月に心不全のため亡くなっています。

①リーディングサイアー１３回
②産駒通算勝利数２７４９勝
③産駒通算重賞勝利数３１１勝
④産駒通算Ｇ１勝利数７５勝
⑤Ｇ１に勝利した馬の数（牡馬２９頭、牝馬１４頭）

（wikipediaより引用）

この他にも多々記録を残していますが、とにかく数字だけ見ても凄いの一言ですね。
当然、全て歴代トップの数字です。

これだけの功績を残せば、子孫繁栄するのも納得出来ます。
いやいや、納得してはいけません。

さて、このような徳川幕府並みに、いや、それ以上の繁栄を見せ、今やサンデーサイレンス系を確立させた種牡馬たちに非サンデー系種牡馬たちは、どう立ち向かっていくのでしょうか？

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【２】非サンデー系種牡馬たち

さあ、これだけの大手企業（サンデーグループとでも言いましょうか）に零細企業（中小企業とでもイメージください）は、どうすれば、勝てるのか。
この章では、非サンデー系種牡馬の血統、簡単に現役時代の紹介と主な後継者を紹介します。

◆キングカメハメハ

現役時は８戦７勝（Ｇ１：２勝）
父は世界的種牡馬のキングマンボで母の父はラストタイクーンという血統です。

ダービーでは、乗っているだけで勝てると言われたほど強かった馬ですね。
対サンデー系一番手と言われるくらい後継者を多く輩出しています。

因みに年間種付頭数２６６という日本記録保持馬です。
なお、馬の種付は春先のみです。

そう考えると１日に何回頑張ったのか気になりますね。
主な後継馬：ルーラーシップ、ドゥラメンテ、ロードカナロアなど

◆クロフネ

現役時は１０戦６勝（Ｇ１：２勝）
父はフレンチデピュティと言ってアメリカで活躍しました。

母の父クラシックゴーゴーはアメリカで無名の無料種牡馬でした。
芝・ダート関係なしで走った名馬です。

ＪＣダートの大差レコード勝ちは圧巻でした。
そんなクロフネの活躍馬は不思議と牝馬が多いため今のところ、後継種牡馬にこれと言える馬は居ません。

ただ、娘たちにはサンデー系種牡馬が付けられることが多く、母の父として活躍馬を輩出しています。
しかし、この話からすると戦国時代で言う政略結婚的な…何か微妙な感じです。

◆シンボリクリスエス

現役時は１５戦８勝（Ｇ１：４勝）
父はクリスエスで母の父はゴールドメディリアンという配合。

アメリカ生まれの日本調教馬として活躍。
２年連続で年度代表馬にもなりました。

後継種牡馬と言えば、何と言ってもエピファネイアでしょうか。
そのエピファネイアの母は、日米のオークスを制覇した名牝シーザリオです。

しかし、シーザリオの父がスペシャルウィークとあって、祖祖父がサンデーサイレンスになっています。
まあ、先述の解釈で言えば、非サンデー系種牡馬ですね。

あとシンボリクリスエス産駒には、ダートで活躍した馬が多いです。
他にも後継種牡馬として、ダート路線で活躍したサクセスブロッケンやルヴァンスレーヴなども期待されています。

◆タニノギムレット

現役時は８戦５勝（Ｇ１：１勝）
父はブライアンズタイム、母の父は、クリスタルパレス。

母の馬名を見て頂いたら分かると思いますが、生産者が自家製によって血を繋いだ結晶がタニノギムレットです。
恐ろしい末脚でダービーを制覇しました。

さて、後継と言えば牝馬ですがウォッカでしょう。
ウォッカの母もタニノシスターで自家製生産に拘り続けた結晶と言えます。

そのウォッカは、牝馬ながら日本ダービーを制して父娘２代制覇を成し遂げました。
Ｇ１も７勝しました。

しかし、これと言った産駒は今のところ出ていません。
なお、牡馬の後継馬は、皆無に等しい状態です。

まだまだ、タニノの意地と結晶を見せてくれるものだと期待しています。

◆バゴ

現役時は１６戦８勝（Ｇ１：５勝）
フランスで活躍し現役引退後、日本に来ました。

当然、フランス生まれのためサンデーの血は全く入っていません。
なお、父は同じくフランスで活躍したナシュワン。

母の父は世界的種牡馬のヌレエフです。
まだ種牡馬生活も浅く、これからに期待が持てる種牡馬です。

なお、後継と言えば現在も現役中で既にＧ１を３勝している牝馬のクロノジェネシスが筆頭ですね。
さて、サンデーの後継馬と比較すれば少数精鋭となりますが、それでも非サンデー系種牡馬の血は間違いなく孫の世代に受け継がれています。

【３】非サンデー系の孫たち

現在、競走馬として頑張っている馬たちの殆どが非サンデー系種牡馬の孫に当たります。
次は、逆襲という使命を受け継いだ、その父馬たちを紹介します。

キングカメハメハの後継馬

◆ルーラーシップ

言わずと知れた名牝エアグルーヴの息子ですね。
その息子ルーラーシップもキセキと言う菊花賞馬を輩出しています。

名牝から血が繋がる部分は、競馬の醍醐味であり浪漫です。
まさに奇跡と言っても良いのではないでしょうか。

◆ロードカナロア

自身は短距離Ｇ１を６勝しました。
そのスピードは確実に仔たちへ伝わり、歴史的名馬アーモンドアイを始め、既に３頭のＧ１馬を輩出しています。

◆ドゥラメンテ

牡馬クラシック二冠を制した後に軽度の骨折が判明し、休養したため惜しくも三冠を逃しました。
無事に出走していれば三冠馬になれたと言われるほどの名馬です。

まだ種牡馬として浅いですが、既に重賞馬を出しています。
今後の活躍が大いに期待される種牡馬です。

因みに祖母はエアグルーヴという部分も血の浪漫を感じずにはいられません。

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シンボリクリスエスの後継馬

◆エピファネイア

産駒は、まだ２世代しかいない中で牝馬三冠馬のデアリングタクトと２０２１年の皐月賞馬エフフォーリアを輩出しています。
シーザリオの息子としても素晴らしい実績ですね。

今後、サンデー系種牡馬と対等に戦える存在と言えるでしょう。

スクリーンヒーローの後継馬

◆モーリス

現役時代はＧ１を６勝して年度代表馬にも選ばれました。
産駒はまだ１世代ですが、既に重賞馬を輩出しています。

なお、父の母の父にサンデーサイレンスの血が入っていますが、非サンデー系種牡馬として、今後もスピードとスタミナを受け継いだ産駒を出してくれることが大いに期待できる種牡馬ですね。

【おわりに】

如何でしたでしょうか？
競馬新聞を広げ出走馬の血統を見ると本当にサンデー系の馬が良く目に付きます。

しかし、非サンデー系の馬も頑張っています。
特に最近では、サンデー系の肌馬も多く存在することから、非サンデー系の種牡馬を種付する傾向が増えています。

サンデー系同士だと近親関係にて血が濃くなり危険なためです。
要するに伝えたかったことは、非サンデー系が頑張ることによって、さらなる日本競馬界の底上げに繋がると言うことです。

だから現在、競走馬として登録されている非サンデー系の仔たちには、よりいっそう頑張ってほしいです。
競馬は、血統のスポーツであり我々ファンの夢と浪漫が多く含まれていることが、改めて皆様に伝われば幸いです。

ご購読ありがとうございました。

今回のお話「非サンデー系種牡馬の逆襲」の続き記事へ↓

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